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転機となった本との出会い [本のこと]

ブログで紹介するにあたり、トップに選びたいのはアンドルー・ゴードン著『ミシンと日本の近代』です。
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この本に出会っていなければ、ミシンカフェを開業するという選択はなかったと思います。2013年の11月初め、胸にこみあげるものがありながら本を読み終え、「そうだ、ミシンに係ることにしよう」と決心がつきました。勤め人で人生を終えることに納得できず、独立しようともがいていました。
「何をすればいいのだろう?」
その答えは、自分自身の人生の中にありました。父を亡くしてから、37歳だった母は在宅で仕事をしてくれました。私の「お母さんは家に居てほしい」という我儘を聞き入れての職業選択です。それを可能にしたのは、縫製の賃仕事でした。
ミシンという機械がコンパクトで家屋に据え付け可能だったからこそ、在宅で家族を養うに足る収入を得られたわけです。
 アンドルー・ゴードンはアメリカ生まれで1995年以降はハーバード大学の教授になっています。専門は日本近現代史、とくに社会史を探っているそうですが、「日本の消費者の変化がわからない」と悩んでいたところ、ミシンに着目することで課題が解決できたとか。
 江戸時代末期にミシンが日本に入ってから、いかに日本社会に根付き、女性の存在を高めてきたか…、母の人生を深く意味づけしてくれたと言っていいでしょう。
 この本と出会うきっかけは、加藤陽子さんの毎日新聞での書評です。昨年、学術会議のメンバーから除外という指示を政府が出したときには、かなり憤りを抱きました。

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