SSブログ
着物地について ブログトップ

縮緬地を洗濯してみた [着物地について]

縮緬洗濯.jpgすっかり行きつけになった中古のきもの屋さんで、縮緬の帯を買ってきました。洗濯しにくいという絹地を使って洗濯実験をするためです。使う洗剤は、シルクランドリー。絹専用の洗剤で、中古の長襦袢を洗ったときに汚れ落ちが優れていたのです。
実験台にしたのは二越縮緬。糸に撚りをかけて織り糸がからむことによってシボ(凹凸)ができ、身体に馴染みやすく多少の伸縮性を持っています。店員さんからは、「縮緬は洗濯しないほうがいい。悉皆やさんに頼むべき」と聞いていた。かなり縮んでしまうというのがその理由。
洗ってみた結果がこの画像。元々、幅35.5㎝あったものが水洗いだと32.5㎝に、シルクランドリーで洗ったものは30.5㎝になりました。タテ方向にも10㎝が9.6㎝(水)、9.1㎝(シルクランドリー)と変化しました。洗濯時間は、すすぎを含めて12分。脱水はせず、タオルではさんで軽く水気をとり、ボタボタ干しで自然乾燥です。
印象としては、やはり、かなり縮むなあと思います。けれども、風合いにはそう大きな変化はなく、しなやかさも保っています。5日後にもう一度、洗ってみて、縮みがさらに進行するのか、止まるのか、確かめてみます。
nice!(0)  コメント(0) 

着物リメイクのデザイン傾向 [着物地について]

着物リメイクという分野は、たぶん20年前には需要がなかったと思う。というか、少数の方にしか興味を持たれていなかった。振り返れば、森南海子先生が着物を上下に分割して二部式の着やすい着物をリフォームして作っておられたりしたが、一冊の本にまとめたりはされていなかった。

ところが、現在は、10冊以上の着物リメイク本が出ていて、人気作家もいる。特に人気なのは、「型紙いらず」という方向。着物のサスティナブルな面を評価し、なるべく着物にはさみを入れずに仕上げようというもの。

考え方は、私も好きなのだが、着物にはやはり弱点がある。洗濯や保管などの「管理」が大変なことだ。本当に永遠に着続けることはできない。それよりも、たびたび手を通して服としての寿命をまっとうするほうがよいのではないか?

少し、そういう考え方なのかなと思うのが「志水美香さんの着物リメイク」本。作品の中からパンツを作ってみた。だけど、やはり身体に添うという点では不満がある。少し、改善の余地があるように思った。kimonopants-1.jpgkimonopant-2.jpgsimizubook-1.jpg
nice!(0)  コメント(0) 

着物をほどいて気づいたこと [着物地について]

ほどいてみて、袖口の工夫を知りました
sodehodoki.jpg
趣味で洋服を作り始めて、かれこれ30数年になる。
だけど、なのか、だからこそなのか着物を解いて洋服にすることには長くためらいがあった。
着物のままで着るべきではないか、切ってしまえば元に戻せないのだから、せめて着物のまま譲るべきではないのかと漠然と思っていた。

そんなことを感じていたのは、私だけではないだろう。
その結果、誰にも、一度も手を通されたことのない着物が、大量に市場にあふれることになった。
価格も、破壊的といっていいほど安い。

一昨年、母が亡くなって、自分自身が一通りの(喪服、留袖、付け下げ、小紋、コート)着物を所有することになり(母が誂えてくれていたのを、「いらない、いらない」と受け取らずにいた。ごめんなさい)、「洋服にして、とにかく着よう」と決断できた。

そうして何枚か着物を解いてみたら、いくつものうれしい発見があった。
画像で紹介している袖の工夫がまず、その一例。
裏地に袖口部分だけ、別の布地をもってきて、切り替えて縫ってある。チラッと裏が見える、その色味にこだわりがあるのだ。裏地の乳白色も正絹だし、決して悪い色ではない。だけど、ひと手間をかける。

さらに袖下の丸み。
洋服を縫うテクニックを応用するなら、カーブをきれいに処理する場合、縫い代はできるだけ小さくする。そのほうがかさばらず、カーブがなめらかになる。

それなのに、着物の仕立ての場合、縫い糸で小さくギャザーを寄せて、丸みを出してあった。縫い代は四角く残したまま。
できるだけ布地を切らずに、縫い代をおおきくしてでも一反を使い切る工夫を体感できた。縫い手の知恵や布地を大切に思う気持ちが伝わってくる。
それも、自分勝手な思い込みかもしれないが‥。

だけど、解いてみるまで、まったく知らなかった着物の世界を、今はワクワクしながら堪能している。
nice!(0)  コメント(0) 

着物地を洋服にした第一号 [着物地について]

友人に贈った、「着物地リメイク服」第一号を紹介します。
kimonorime-1.jpgこれは何という生地なのか、紬風の格子柄です。購入したときには「素材も産地もわからない」と言われました。中古の着物を扱うお店は、そういう「正体はわかりません」という売り方をしていることが多いです。糸を焼いてみたらタンパク質が焦げるにおいがしたので、絹と判断しました。
傷みは少なかったですが、表身頃にやや日焼けがあったので、そこは避けました。ほどいてから、牛乳せっけんを溶かした液で浸し洗いをし、よくすすいで乾かしました。
服ができたら友人に贈るつもりだったので、洗わないという選択はできません。ともかく、10分ほどで洗濯は済ませ、陰干しで水気をとって、生乾きのうちにアイロンがけ。特に風合いの変化はなかったように感じました。縮みもほとんどしませんでした。
ボタンホールを開けること抵抗があり、ボタン止めは、ループ仕立て。ノーカラーで、見返しに別の派手な着物地を使って、アクセントにしてみました。
nice!(1)  コメント(0) 
着物地について ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。